2015年8月3日月曜日

「量子革命-アインシュタインとボーア、偉大なる頭脳の激突」マンジット・クマール 青木 薫 訳 (新潮社)



 アインシュタインの偉大さが揺らぐことは、少なくとも私の中ではありません。如何にボーアがコペンハーゲン解釈を世に広めようと、如何にハイゼンベルクの不確定性原理が間違いのないものだとしても、やはり私はアインシュタインを支持したいと思います。
 本書は全体的に専門用語、学術用語がよく現れます。実験内容については具体的、且つわかりやすい説明がありません。従って、この道の門外漢である私が理解するには、少しばかり努力を要しました。
 それでも私はアインシュタインの信じる物質の実在を支持したいのです。コペンハーゲン解釈が物質の実在についての説明を断念したことは、物理学は形而上学的な哲学と何ら変わらないものになってしまうことを意味するのではないのでしょうか。それはどうも納得がいきません。
 とはいえ、ボーアの主張するところで、あまりメジャーではない「相補性」という考え方については賛同できます。「物理学の仕事は、自然を見出すことではない。自然について何が言えるか(記述できるか)である」という考え方です。これは言葉の限界と同様の問題を孕んでいるような気がするのです。


 ですがそのことと、実在の否定は別物です。
 量子論についてはまだ研究が進んでおり、技術への応用によって現代文明は発展を遂げている途上です。なのに、その解釈については、いまだに謎のまま残されているようです。
 文系の哲学志向の人間である私としては、解き明かす順番が逆のように見えて仕方ありません。
 物質はあるのか、ないのか。はっきりしろ。そう言いたくなるのです。もちろん私の考え方としては、まず実在ありき、というアインシュタインの主張を支持するところではあるのですけれどもね。
 現在は超ひも理論や、その基礎となる十次元の世界構造について、研究が進められていると聞きます。いずれにせよ目には見えない世界の話です。
 もちろんそれがわかったからと言って、私に何かできるわけではありません。単なる知的好奇心の対象でしかないのです。それでもこういうことについて、時々考えを巡らせたりするのは、やはりいい刺激になって面白いですね。

 読書期間:始)2015.1.25 ~ 終)2.19
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