2013年5月31日金曜日

「カラスの親指」道尾秀介 (講談社文庫)


あらすじ
同僚の借金の保証人欄にサインをした時から、武沢の人生は歯車が狂い始めた。
気付けば騙され、全てを失っていた。仕事も家も財産も、そして家族も。
いつしか武沢は騙される側ではなく、騙す側の人間に、悪党になって生きる、自らにそう言い聞かせながら生きるようになっていた。そうしないとまた騙される側、負ける側になってしまうからだ。
ある日、武沢同様に騙され、負け人生を歩むテツさんと出会い、共に詐欺を生業として生活を送るようになる。
そんな男二人の生活の中に一人の少女が加わり、やがて同居人は増え、男女5人と猫1匹の奇妙な生活が始まった。
彼ら5人は各々自分の過去と向き合い、決着をつけるため、人生を賭けた大勝負に出るのだが。

 ヒントは至るところにあからさまな形でちりばめられています。「アナグラム」と出てくれば、推理小説好きなら当然人名に注目しながら読み進めるでしょう。なので、登場人物の名前を常に一人一人チェックしていくと、ある程度は気付くのです。
 問題は一体どこからどこまでが仕組まれたものなのか、ということ。これは最後の最後まで読み進めて、はじめて「あ、あれがそうだったのか」となると思います。


 正直言うと伏線の置き方があからさまで微妙な感じがしてたのですが、回収の仕方が秀逸でした。
 デビュー作と比べると、本当に上手い話が書けるようになったんだなぁ、と思ってしまいます。人物を掘り下げる描写も今までよりも上手くなったと思います。
 ただ難を挙げるとすれば、薄っぺらいことでしょうか。これだけ上手くて掘り下げれているのに、どうしてこう薄いと言いますか、軽い感じがするのか不思議です。
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