2012年7月23日月曜日

「魍魎の匣」京極夏彦 (講談社文庫)


あらすじ
柚木加奈子は何者かに背を押され、ホームに入ってくる列車に轢かれてしまった。
瀕死の重傷を負った加奈子はその後、運び込まれた病院で一命を取り留めるも、身動きすらままならない体で延命措置が続けられていた。
そしてそんな容態の加奈子が衆人環視同然の病室から忽然と姿を消してしまう。
時を前後して、少女の二の腕が、続いて箱詰めにされた両足が、それぞれ武蔵野と相模湖で発見されるという事件が起きていた。その後も同様にバラバラにされた少女の肢体が箱詰めにされた状態で発見されていく。
箱を祀り、魍魎を封じるという霊能者、箱詰めにされた少女の肢体、箱の中の少女の話を書く小説家、箱のような建物、箱のような顔をした刑事・木場。箱、箱、箱、箱、箱ばかりである。
魍魎とは何なのか。箱が意味するものは? 百鬼夜行シリーズ第2弾です。

 「魍魎の匣」は前作「姑獲鳥の夏」の理路整然とした展開に比べると、話の時系列が恣意的に前後して記述されてます。読みながら今現在読み進めているところが一体どのあたりなのか、常に把握していないと筋が見えなくなってしまいます。


 今回は京極堂ですら苦手とする妖怪「魍魎」が相手です。
 正体がはっきりしないのが「魍魎」。ゆえにいかに扱うべきかが分かりかねる、といった態です。構成や符合については、やはりさすがの京極氏です。

 「魍魎=人間」と置き換えて解釈するなら、曖昧なものに形を与える「箱」という概念は確かに興味深いです。後半、いろんなものが一気に繋がり始めると、どうにも「そんなご都合主義の探偵小説みたいな話があるかね」という感想が出てきますが、これも話作りの上手さゆえと解釈したいと思います。
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