2012年7月3日火曜日

「よもつひらさか」今邑彩 (集英社文庫)



 ホラー&ミステリーを集めた全12篇の短編集です。「世にも奇妙な物語」のようなお話ばかりが収められています。
 中でも個人的に面白かったものを挙げますと「ハーフ・アンド・ハーフ」「遠い窓」「生まれ変わり」の3作品です。
「ハーフ・アンド・ハーフ」
折半主義のレズビアンと偽装結婚をした男は、ある理由から離婚を切り出した。離婚による財産分配は全て折半。彼女との関係を全て片付け、新居に移った男を待つ結末とは。
「遠い窓」
娘を亡くした画家が住んでいたという一軒家と、そこに残された1枚の絵画。
不思議なことに、微妙に変化していくその絵画に気付いた少女は、その絵に魅せられていく。
「生まれ変わり」
幼い頃、若くして亡くなった叔母こそ運命の女性。結婚を誓い合った女性だった。
男は成長し、街でその叔母そっくりの女性を見掛ける。今度こそ、あの日の誓いを果たそうと男は……。


 全体的に発想自体はいいのです。よく言えば、読者の期待を裏切らない結末が待つ物語ばかり。悪く言えば、どれもオチが読めすぎなんです。
 どのお話もちょっと構成をいじれば、オチを読ませずに最後に驚かせる展開に持っていける感じなのが非常に惜しい気がします。

 むしろあからさまに結末を予感させておいて、「いや、その結末はさすがに……」といった怖いもの見たさで結末を確認するような進行のお話が「ハーフ・アンド・ハーフ」
 「遠い窓」は幻想的な物語のように見せかけておいての、種明かしが推理小説っぽくて結構好きです。
 「生まれ変わり」は本当に構成次第でオチを読ませずに、ラストで驚かせることができる内容だけにもったいないことこの上ないです。
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