2012年5月19日土曜日

「十角館の殺人」綾辻行人 (講談社文庫)



 Twitterで、この本を推すようなつぶやきを見かけました。
 前回の「ダ・ヴィンチ・コード」で味をしめていた私は、ちょうど他にも楽しめそうな推理モノを探しているところ。これに乗ってみるか、と推してた人には内緒で、こっそり図書館で借りて読んでみました。

 ジャンルというのかカテゴリーというのか分かりませんけども、新本格推理小説という分類だそうです。何が本格で、何が新なのかはさっぱりな私です。とりあえず読んでみた感想を書くくらいしかできません。
 話自体はさくさく読めます。450ページほどで、遅読の私でも読むのにさほど時間は掛かりませんでした。話の内容は、これから読むかもしれない人に対してネタバレになってしまう恐れもあるので、詳細までは書けないのがやや残念。

 簡単にあらすじを話すと、ある連続殺害事件が半年前にあった孤島へ、7人の大学生が、所属する推理小説研究会の合宿として出掛けることになる。
 陸から切り離されたその孤島では、悪い冗談のようなメッセージが見つかり、その後メッセージの示唆していた殺人が次々と行われていく。
 彼らが孤島に着いたちょうどその頃、また別のメッセージが彼らを含む数人の家に入れ違いで郵送されていた。
 犯人は一体誰なのか。半年前の殺人事件と何か関係があるのか。犯人の動機は一体……。

そんな内容です。

  • 動機はまぁ、簡単に見当つきます。

  • 郵送されてきたメッセージの狙いは半分当たり、半分不正解。

  • 不正解だった狙いの部分に関しては、最後まで行かないとちょっと予想できない。

  • 半分当たりだったところから、半年前の事件の謎もおおよそ正解。

  • 犯人は誰なのか、の部分については、300ページくらいの段階で2択まで絞り込めた。

 ある人物について。
「こいつはミスリードする人か犯人かのいずれかだ。犯人ならもちろん、ミスリードする人なら最後まで残されるはず。いずれにせよ、こいつは最後まで残る。残り3人から2人になる時、こいつが犯人ならあいつが死んで、あいつと最後の対決って形じゃないと盛り上がらんよな。こいつが最後まで残るのは間違いないとして、ミスリードしてる人として残るなら、筋としては傍観のスタンスのあいつが犯人だよな」

 予想通りですた。え? 意味不明? いいんですよ、それで。
 で、そのどちらかが犯人で終了かな、というところで、最後に犯人の姿とトリックが明かされる。という流れでした。


 最後がなぁ。何か残念なんですよねぇ。移動時間と距離っていう要素は大事でしょ。そんな大事なもんを後から出されてもなぁ。
 一般的に「1時間以上」ってことは、1時間以上2時間未満のことでしょ? ちゃんとヒント出してるよ? と言われると、確かにそうなんだけども。
 2時間以上掛かるなら「2時間以上」、3時間以上掛かるなら「3時間以上」って言いますけども。
 でもやっぱり所要時間1時間くらいなら「1時間くらい」なんじゃないですかね。「1時間以上」とは言わんよね。
 「1時間以上」って言う時には、多分移動時間そのものだけではなくて、例えば途中で食事のためにどこか寄り道するかもしれない、あるいは不慮の渋滞なんかがあるかもしれない、その場合、もしかすると2時間とか3時間掛かるような際に、そのことを示唆する概念としての言葉遣いだと思うのですが。
 その場合、移動時間以外の何かを取り除いた、純粋な移動時間は? という問いに対して「1時間」という答えにはならないでしょう。

 気になったのは、このくらいで後はよく出来た話になってる印象です。論理的に考えることで、大方の部分は正解に辿り着ける内容になってます。

 さて本格推理っていうのは、何なんでしょうね。警察の介入がない、あるいは介入済みで、警察の出番はすでに終了したような状況での事件を、警察以外の人間が状況証拠などの手掛かりから、また読者は書き手の与える手掛かりから解決に至る話、ということなんでしょうかね。

 推理小説そのものが、もしかすると私の好みには合っていないのかもしれない。よくできた話だなぁと思って感心はするんですけどね。
 いい話だなぁと思えるようなのを、きっと私は求めているんでしょうね。
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